人は、住処と旅をしてきた。
巡る季節とともに狩りをし、雨露を凌ぐ場所を自然の中に見つけ、自分の居場所を確かめながら暮らしてきた先人たち。
この時代の住処とはなんだろうか。
日々を旅する住人は、家の内と外の間を幾度となく往復する。時に喜び、時に哀しみを持ち帰り。季節を重ね、新たな家族を迎えたり、見送ったりもする。家も同じように呼吸を重ね、変化できることは大切だ。
何もない空間に線を描くとき。それは境界線ではなく、航海する船の設計図のように。たとえ、四方すべてが壁でも、住む人の心に風を届けたい。
いつも僕は想像する。
空間にあいた一つの穴に、まだ見ぬ明日の可能性を残して。