Fumihito Ohashi Architecture Studio

人は、住処と旅をしてきた。

巡る季節とともに狩りをし、雨露を凌ぐ場所を自然の中に見つけ、自分の居場所を確かめながら暮らしてきた先人たち。

この時代の住処とはなんだろうか。

日々を旅する住人は、家の内と外の間を幾度となく往復する。時に喜び、時に哀しみを持ち帰り。季節を重ね、新たな家族を迎えたり、見送ったりもする。家も同じように呼吸を重ね、変化できることは大切だ。

何もない空間に線を描くとき。それは境界線ではなく、航海する船の設計図のように。たとえ、四方すべてが壁でも、住む人の心に風を届けたい。

いつも僕は想像する。

空間にあいた一つの穴に、まだ見ぬ明日の可能性を残して。