店舗の開業では、物件を借りたあとで「思っていた店にできない」と気づくことが少なくありません。図面を引く前の段階で、一級建築士がその物件の可否と、空間の方向を見極めます。 フルの設計・監理をご依頼いただく前の、二つの入口です。どちらも設計図書はつくりません。
01 物件ジャッジ診断
契約する前に、その物件でいいのか

ADI(中目黒・モダンネパール料理) 撮影:光田揚子
賃貸借契約を結ぶ前に、その物件で開業して問題がないかを診断します。
どんな物件でも、まず建築基準法の確認申請が必要かどうかの判断が要ります。そのうえで業態ごとに、飲食店なら飲食店営業許可、菓子・惣菜などの製造業ならその営業許可と、保健所の施設基準への適合が必須になります。消防の届出や設備もあわせて、その物件で無理なく満たせるか、改修費に跳ね返らないかを、契約前に見極めます。
- 建築基準法の確認申請が必要かどうかの判断(用途変更部分の床面積200㎡超など。多くの改修では不要ですが、要否の見極めは必ず行います)
- 業態に応じた保健所の許可と施設基準 ── 飲食店営業許可、菓子製造業・そうざい製造業などの営業許可。区画・手洗い・シンク・床壁天井の仕上げ・便所・更衣室・換気などを、その物件で満たせるか
- 消防 ── 防火対象物の届出、内装制限、消防用設備の見込み
- 特定行政庁 ── 用途地域と規模制限、検査済証の有無、既存不適格・違反の有無
- 電気容量、ガス、給排水、グリストラップ、排気ルート、室外機置場
- スケルトンの状態、天井高、アスベストの懸念
- 業態別の概算改修費レンジと、坪単価に含まれない別途費用
- 賃貸借条件のリスク(原状回復の範囲、指定業者、定期借家など)
やらないこと ── 平面図・ラフプランなど、寸法の入った図面はつくりません。許可・届出の申請や、行政との実務協議の代行はしません(いずれもフルの設計・監理でお引き受けします)。
| オンライン診断(資料・写真をお送りいただく) | 50,000円 |
|---|---|
| 内見同行+レポート | 80,000円 |
| 3物件の比較パック | 180,000円 |
表示は税別。内見同行・現地対応は交通費を実費でいただきます。
お支払いは、お申し込み時に一括で前払いです。
02 スポット相談
どんな空間にするか、方向を一緒に定める

トリアンゴロ(静岡・イタリア料理) 撮影:光田揚子
物件が決まったら、どんな空間にするかの方向を一緒に定めます。
- 素材のパレット案(左官・木・和紙・金物などの組み立て)
- 照明と空気感のコンセプトボード
- ゾーニングのラフスケッチ(寸法は入れません)
- 施工者・職人の当たりのつけ方
- 予算の配分と優先順位の助言
やらないこと ── 寸法の入った図面・実施設計は含みません。確認申請はしません。
| 単発相談(2時間・オンライン可・要点メモ付き) | 50,000円 |
|---|---|
| コンセプト方向づけパッケージ(2〜3回・上記一式) | 250,000〜400,000円 |
表示は税別。
お支払いは、お申し込み時に一括で前払いです。
03 什器・家具のコーディネート
什器一式のコーディネートだけでも
outline series と職人のネットワークを使い、什器・家具まわりだけを切り出してお引き受けします。内容によって、次の三つの目安があります。

椅子・テーブルのシリーズ「outline series」(ナラ無垢材・オイル塗装)。2013年から続く、ミニマルな表情の木製家具シリーズです。
| 家具プランのみ(配置図・選定リスト・見積もり用の仕様。製作手配なし) | 50,000円〜 |
|---|---|
| 什器一式のコーディネート(outline series を核に、テーブル・椅子・照明・小物まで選定と製作手配) | 150,000円〜 |
| 造作を含む什器一式(デザイン意図のスケッチ+提携工房での製作管理) | 300,000円〜 |
表示は税別。確認申請の責任は負いません。
04 全体像
設計・監理と、その手前を埋める二つの入口
設計・監理は、方向を決める段階から現場監理まで一貫してお引き受けする通常業務です。その手前の「物件を選ぶ」、そして設計・監理に入る前に「方向づけだけ相談したい」というとき、相談できる窓口が少なく、施主ご自身で判断するには負担が大きい。ここでの取りこぼしは、後の工事費や工期に響きます。物件ジャッジ診断とスポット相談は、この空白を埋めるための入口です。什器だけのご相談も承ります。
什器コーディネートの費用は、上の 03 にまとめています。
| 物件ジャッジ診断 | スポット相談 | 什器コーディネート | フルの設計・監理 | |
|---|---|---|---|---|
| 目的 | その物件で開業できるか見極める | 空間の方向を定める | 什器・家具だけ整える | 店舗を設計してつくり切る |
| 頼める時期 | 物件の契約前 | 物件が決まった後 | 時期は流動的 | 空間の方向を決める段階〜竣工 |
| やること | 法規・許可・改修費の可否判断 | 素材・照明・ゾーニングの方向づけ | outline series と職人の網で什器の設計・製作手配 | 方向づけ・基本設計・見積調整・現場監理 |
| 成果物 | A4のレポート(2〜3枚) | 方向をまとめたボード+要点メモ | 什器リスト・配置・仕様 | 設計図書一式 |
| 費用 | 50,000円〜 | 50,000円〜 | 上記(03) | 工事費の12〜15%(最低250万円〜・税別) |
| 図面 | つくらない | 寸法なしのラフのみ | デザイン意図のスケッチまで | 実施設計図 |
| 単独で頼めるか | ○ | ○ | ○ | ○(これ自体が全体) |
物件ジャッジ診断・スポット相談のあと、6か月以内にフルの設計・監理をご依頼いただいた場合、いただいた相談料を設計料から差し引きます。
05 よくあるご質問
よくあるご質問
フルの設計を頼むのと、何が違いますか。
これらは方向を決めるためのサービスで、寸法の入った図面や確認申請は含みません。フルの設計・監理は、基本設計から現場監理まで一貫してお引き受けする別のサービスです。良い物件を選び、方向が定まった状態で設計に入れるので、結果として設計もスムーズになります。
確認申請は必要になりますか。
建築基準法の確認申請が要るのは、床面積200㎡を超える用途変更や、増築・大規模な模様替えなど限られた場合です。多くの改修では不要ですが、代わりに消防・保健所などの施設基準や特定行政庁との協議がかかわります。診断では、そのどれが該当し、その物件で無理なく満たせるかを整理します。
図面はもらえますか。
寸法の入った図面はお渡ししません。物件ジャッジ診断はレポート、スポット相談はラフスケッチと方向をまとめたボードが成果物です。
遠方でも相談できますか。
オンラインで対応できます。内見同行や現地での相談は、交通費を実費でいただいたうえで承ります。
相談したうえで、他の設計者に頼んでも構いませんか。
構いません。良い物件を選び、方向づけと施工者選びの助けになれば十分です。
06 お申し込み
まずはフォームから
物件の情報・業態・ご予算・希望時期をお知らせください。内容を拝見のうえ、3営業日以内にメールでご連絡します。