手打ち蕎麦たがた ― 直感的に蕎麦を感じる蕎麦打ち劇場|静岡
静岡駅から歩いて十数分。市役所裏の青葉公園を西へ、常磐公園の傍らにある「手打ち蕎麦たがた」。店主・田形治さんは、日本各地の在来種の蕎麦を十割で供し、蕎麦をこよなく愛する男です。声がかかれば、あちらこちらへ飛び回り、蕎麦を打ち、SPACの公演やミラノ万博など、大部隊でも蕎麦打ちで人々を魅了してきました。今回の改装のテーマは「たがた劇場」。ただし目的は演出ではなく、在来種の蕎麦の香りが最も強く香り立つ「打つ瞬間」をお客さんに届けること。田形さんと一体となる蕎麦打ち台。どこにどう配置し、お客さんとどのように一体となるのか——すべてをその一瞬のために設計しました。
-手打ち蕎麦たがた SHIZUOKA , SHIZUOKA , JAPAN|2023.03
店内の中央に蕎麦打ち台を据え、その周りをL型カウンターが取り囲み、さらに背面に厨房がある。田形さんが打つ時間になると、客の背中側が舞台に変わる。食事が始まれば、カウンター越しの会話が舞台になる。ひとつの空間で舞台が二度切り替わり、その転換を、切り替わる照明の表情が支える。天板は研ぎ出しと土で「大地の表情」を、稲藁の脚はその土の面と接する部分に用い、大地・土・稲藁の関係性を紡いでいる。背景となる深い青は大海原。静岡の豊かな自然の循環を、そのままかたちにしたものだ。
所在地静岡市葵区常磐町2丁目6-7
用途店舗|飲食店(蕎麦店)
施工面積42.4㎡
階数4階建
構造鉄骨造
種別改修
施工小田建築
左官(研ぎ出し天板)斉藤新人
和紙(壁・天井)ハタノワタル
照明デザインふじたともこ
家具・什器浦野木工
稲藁の多面体脚相良育弥(茅葺職人)
設計監理FOAS大橋史人建築設計
竣工2023年3月
主な素材舞台の背景となる壁天井一面の和紙/研ぎ出し仕上げの天板(左官)+裏面は土の押さえ/稲藁を葺いた多面体の脚/場面転換のための照明デザイン
この場づくりの背景を、noteに書いています
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